
みなさん、トレドという街をご存じでしょうか。はるか1400前に西ゴート王国の都として栄えていたその街は、様々な文化が入り混じり、ここでしか見られない独特の美しさを醸し出しています。迷宮のようにどこまでも続く小道と、複雑な歴史を反映したエキゾチックな街並みは、私たちを別世界に誘います。
マドリードから電車約30分という好立地にあることから、日帰りでの観光にも最適です!しかしながら、どの観光サイトを見ても推されているのは「大聖堂」ばかり・・・でも折角一日滞在するんだったら目いっぱいトレドを楽しみたいですよね?ここでは、そんなあなたにトレドの穴場スポットをご紹介します!
1.やっぱり外せない「アルカサル」
大聖堂に次ぐトレドの二大観光名所といえば、「アルカサル」です。その名前はアラビア語で要塞を意味する“Al Quazar”に由来し、その歴史は約1700年前に遡ります。残念ながら南北戦争によって大部分が破壊されてしまったアルカサルですが、復興され、美しい時代の建築様式を今も楽しむことができます。下層階が軍事博物館・8階が図書館・最上階がカフェとして利用されているのですが、特に私がおすすめなのは、最上階のカフェテリア。なんと窓からトレドの街が一望できます。休憩がてらにぜひ絶景を楽しんで下さい!夕方にはこんな絶景が見られるかも。
2.巨匠「エル・グレコ」の絵を堪能
トレドが生んだ絵画の巨匠「エル・グレコ」の絵を生で楽しめるのもトレドの魅力のひとつです。歴史の教科書でもよく取りあげられる名作「オルガス伯爵の埋葬」を見ずして日本には帰れません!
- サントトメ教会
外から見るとただの小さな教会ですが、中にはあの有名な「オルガス伯爵の網層」が!残念なのは写真が禁止されていることですが、名作を目に焼き付けて帰りましょう。
- エル・グレコ美術館
こぢんまりとした博物館ですが、作品の量・質ともにその見ごたえは抜群!グレコの作品を堪能したい人は必見です。グレコが生きた時代の古民家が博物館に改築されているので、当時の建築様式も同時に楽しむことが出来ますよ。
- サンタ・クルス美術館
トレドでアルカサルに次いで大きな博物館です。グレコの作品をはじめとして、実に様々な展示物を楽しむことができます。ただ、その広さゆえに少し時間を取られてしまうので、日帰りの方にはお勧めしません。
3.ユダヤ教地区「フデリア」
あまり知られていないのが、かつてユダヤ教徒たちが暮らしていた「フデリア」地区。この地区は 何といっても一番の見どころはユダヤ教の教会である「シナゴーグ」。トレドの二大シナゴーグ、あなたはどちらを選びますか?
- サファルディシナゴーグ
一歩足を踏み入れると、その美しさに圧倒させられること間違いなし。高い天井にはち密な細工が施され、全くの異世界にいざなわれます。二階からは天井の装飾を間近で眺められ、建築好きに持ってこいのシナゴーグです。
- サンタ・マリア・ラ・ブランカシナゴーグ
トレド最古のシナゴーグです。スペイン語で白を意味する「ブランカ」と名前にあるように、その内装は見事に真っ白。独特の建築様式とその美しい装飾から、現地トレドの人たちからも愛されているシナゴーグです。
どちらも息を飲むほど美しく、様々な展示からユダヤ教についても学ぶことが出来ます。ユダヤ教になかなか触れる機会のない日本人の方が多いと思うので、この機会に一度足を踏み入れてみましょう。
4.小腹が減ったら「マサパン」を
皆さん、トレド発祥のお菓子「マサパン」をご存じでしょうか。トレドには数えきれないほどのマサパン屋さんがありますが、ここではお勧めの二店をご紹介します。
- 老舗「サントトメ」
ピンクの花模様がトレードマークのマサパン屋さん「サントトメ」はとても有名で、トレドのこのお店を知らない人はいないでしょう。アーモンドとお砂糖で出来た素朴な味わいのマサパンは、どこか懐かしく、日本人の口にもよく合います。一か月ほど日持ちがするので、日本へのお土産にも最適ですよ!
- かわいらしい店内の「Jacinta & María chocolates
私が個人的にお勧めするマサパン屋さんです。ソコドベル広場からすぐ近くにあり、帰り際にお土産として買うのに最適なマサパン屋さんです。甘さが控えめなので、サントトメのマサパンが苦手だったという人も、こっちのマサパンなら食べられるかも…?日本語が少し話せるお店のお父さんもとてもチャーミング!
5.二つの橋からタホ川を眺める
トレドの見どころは町並みだけではありません。迷路のような街路に疲れたら二つの橋から川を眺めて、美しい自然に癒されましょう。
- アルカンタラ橋
アルカンタラ橋はソコドベル広場から東に10分ほど下ったところにあるローマ時代の歴史ある橋です。この橋を渡ってすこし道路を上がると、アルカサルを同じフレームに入れた素敵な写真を撮ることも出来ます。この橋の上から眺めるトレドの田園風景はとても美しく、運が良ければ夕方には美しい夕焼けが見られますよ。はるか遠く大西洋まで続くタホ川を眺めながら、一日の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。
- サン・マルティン橋
サン・マルティン橋はフデリア地区の奥にある、中世に建設された荘厳な橋です。もし渡る時間があれば、川の反対側から街を見上げてみて下さい。奥に荘厳にそびえたつサン・フアン・デ・ロスレジェス修道院との組み合わせがとても美しく、かつてのトレドの反映を感じさせられますよ。この辺りのフデリア地区は夜のライトアップも素敵なので、暗くなってからの散歩もお勧めですよ。
いかがだったでしょうか?皆さんもスペインに旅行される際はぜひトレドに足を運んで、その奥深い歴史と美しい街並みを体感して下さいね。